訪問介護は、近年全国的に需要が増している介護サービスの1つです。

高齢化が加速している現代社会において、住まいに居ながらにして介護のサービスを受けられる訪問介護は、やりがいの大きな仕事でもあります。

本記事では訪問介護で働く魅力に焦点を当て、すばらしさや注意点を解説します。

訪問介護の基本的な仕事内容とは

訪問介護は、施設に入居した方々をケアする施設介護と対比する形でよく紹介されます。訪問介護の仕事内容とは、高齢者や障がいを持つ方々の自宅を訪問し、日常生活のサポートを提供することです。

施設介護は介護の専門施設や高齢者向けマンションなどの形態をとっており、訪問介護とは仕事の「従事先」が大きく異なります。介護サービスを一般的な住まいの中で提供することは、決して簡単なものではありません。

排泄や食事の介助はもちろんのこと、掃除や調理などのサポートも行う必要があります。

しかし、訪問介護には数多くの魅力が詰まっています。では、次に訪問介護の素晴らしさを一緒に探っていきましょう。

訪問介護は利用者とのつながりを実感できる

訪問介護の魅力の1つは、介護サービスの利用者との深いつながりが築ける点です。

自宅でのケア提供は、多くのスタッフが介護に従事する施設介護よりもクローズドな環境で行われるため、利用者とのコミュニケーションが非常に重要です。関係性が上手に構築できると、介護のサービスも円滑に進みます。

やりがいの大きさは、つながりや信頼関係から実感できることが多く、施設介護よりも訪問介護のほうが楽しく感じる方もいます。訪問介護の利用者の多くは、ヘルパーとして従事するスタッフの到着を楽しみにしています。

日常生活に介護を必要とする方は、大きなストレスを抱えていることがあります。介護に訪れるスタッフは利用者の話し相手としての役割を果たすことも多いのです。

「あなたが来てくれてよかった」と言う利用者も多く、ヘルパーとしての成長も感じやすいでしょう。

地域貢献ができる

訪問介護は、地域に根差した活動ができる点でも魅力的です。介護を必要とする利用者の自宅を複数かけ持つ形で訪れるため、その地域の多くの方々をお手伝いできます。地域に根差した介護の事業者も多く、地域貢献のために尽力している事業所も多いでしょう。

地域全体の福祉の底上げにも貢献できるため、大きな魅力を感じるはずです。

個別ケアの充実と専門性の向上

訪問介護では、利用者一人ひとりに合わせた個別ケアが求められます。

そのため、利用者のライフスタイルや健康状態を理解し、適切なケアプランを立てることが必要です。

一人にしっかりと向き合うことができるため、施設介護とは異なる魅力があります。訪問介護は、ヘルパーによる医療行為はできませんが、利用者の状態をしっかりと見極めて医療ケアにつなげていくことは必要です。

ただ介護の業務内に収まるのではなく、ヘルパーとしてのスキルアップを行うことでより高度なケアができるようになります。

訪問介護の最大の魅力は「ワークライフバランス」

訪問介護は、多くの女性が従事している仕事です。その理由には、ワークライフバランスが充実させやすいという点が挙げられます。勤務時間やスケジュールが比較的柔軟であるため、家事や育児との両立がしやすいでしょう。

自分の都合に合わせてシフトを組める事業所も多いためプライベートの時間を大切にできます。また、事業所によっては利用者の自宅へ直接訪問することもでき、通勤時間が少ないことも魅力の1つです。

アルバイトやパートという働き方も実現しやすく、ストレスの軽減に繋がります。ワークライフバランスが整っていると、仕事に対するモチベーションが向上し、より充実感を得られるでしょう。

訪問介護の仕事は孤独？職場環境とチームのサポートとは

訪問介護の職場は、ヘルパーが一人で従事する作業も多く孤独に感じるのではと不安を感じる方もいるようです。しかし、一般的な訪問介護の事業所はアットホームでチームワークが重視されています。

利用者一人ひとりに対するケアの違いや課題に直面することもありますが、そのようなときには同僚や上司と連携し、お互いに助け合いながら仕事を進められます。

チームのサポートがあることで、仕事に対する不安や孤独感を軽減できるしくみがあるため、施設介護のような魅力もあります。さらに、チームでの情報共有や研修など、職場環境の充実化が図られることも訪問介護の魅力の一つです。

定期的なミーティングや研修が行われることも多い

介護サービスは日々進化しており、知っておく必要がある情報も変化していきます。訪問介護の業界では、最新の情報や技術を共有し、より良いケアを提供するためのヘルパー研修やミーティングが行われることもあります。

もしも、サポート体制が気になる場合には、就職・転職活動時にあらかじめ職場環境にサポート体制が整っているかどうか、相談しておくことがおすすめです。

訪問介護で働く際の注意点

訪問介護の仕事は魅力が多いですが、実際に働くうえでは以下に挙げる2つの注意点もあります。

観察力が必要

利用者の健康状態や環境の変化に合わせてケアを提供するためには、常にヘルパーとして観察する視点が必要です。利用者のわずかな変化が、実は重篤な症状の悪化の可能性もあります。

介護が必要な方だからこそ、ヘルパーとして従事する際には健康チェックを怠らないことが重要です。

断る力も必要

訪問介護は利用者と密接な関係になりやすく、頼まれごともつい引き受けてしまいたくなります。信頼関係があるからこそ、陥りやすいトラブルです。

しかし、訪問介護にはできないサービスもあり、ときには毅然と断る力も必要です。利用者と親しくなれることは魅力的ですが、距離感をしっかりと測りながら関係を作ることも重要です。

まとめ

訪問介護で働く魅力は多く挙げられますが、知っておきたい注意点もあります。決して気楽な仕事ではないからこそ、観察力も養っていくように注意が必要です。

訪問介護は魅力が多く、得られる経験も豊富です。利用者からの感謝の言葉や笑顔、地域社会への貢献といった訪問介護から得られる経験は、介護業界に従事する人々にとって、一生の宝物となることでしょう。