訪問介護という働き方をご存じでしょうか。訪問介護は要介護・要支援の状態にある利用者の自宅を訪問し、身体介護や生活援助を行う介護サービスです。利用者の自立した生活をサポートする重要な役割を担っています。今回の記事では、訪問介護分野で活躍するための資格や、就職時の注意点を紹介します。

訪問介護で輝くために必要な資格とは

訪問介護の仕事に就くためには、一体どのような資格を取得するべきでしょうか。この章では必要資格について詳細を説明します。

介護職員初任者研修

訪問介護の分野で価値約するためには、介護職員初任者研修を経る必要があります。この研修は、介護職員として働くために必要な基本的な知識や、技術を身につけるためのものです。無資格・未経験でも受講することができます。介護職員としての出発点となる資格で、多くの人が研修を受講しています。以前はヘルパー2級の名称で親しまれていたもので、ヘルパー2級を修了していれば同等の資格としてすぐに就労を開始できます。

・カリキュラムの内容とは

介護職員初任者研修は、130時間、合計10個の項目のカリキュラムを盛り込んでいます。職務の理解はもちろんのこと、介護の基本、傷害の理解、老化の理解などの項目が設けられています。

目指したい資格の１つは介護福祉士

訪問介護の事業の中で目指したい資格の1つには、「介護福祉士」が挙げられます。介護職員の国家資格である介護福祉士は、実務経験を積んで介護職員実務者研修を受けることで受験資格を取得できます。また、訪問介護の事業所によっては、認知症ケア専門士などの資格取得を推奨しているケースもあります。

あると便利な資格、福祉用具専門相談員

福祉用具の適切な使用方法や選び方などをアドバイスする資格があることをご存じでしょうか。この資格は「福祉用具専門相談員」と呼ばれるものです。訪問介護では利用者の生活をサポートするために、福祉用具の利用が必要な場合があります。

そのため、福祉用具専門相談員の資格を取得しておくと、より幅広いサービスを提供することができます。全部で50時間ある指定講習を受講した後に、修了試験に合格すれば専門資格として取得ができます。

訪問介護に就職する際の注意点とは

訪問介護の仕事に就職を目指す際には、以下の点に注意しましょう。

事業所の理念や方針を把握する

訪問介護事業所によって、理念や方針は異なります。自分が働きたいと思う事業所の理念や方針を把握しておきましょう。

事業所の雰囲気や人間関係を確認する

訪問介護の仕事は、利用者と直接関わる仕事です。そのため、事業所の雰囲気や人間関係も重要なポイントです。実際に見学や体験入所などを利用してみましょう。また、平均的な残業時間や、就労の条件なども細かく確認しておくことがおすすめです。

特に副業としての就職や、家事や育児と並行して働きたいなどの希望がある場合は、残業時間によっては生活が乱れやすくなるためご注意ください。

給与や福利厚生を比較する

訪問介護事業所によって、給与や福利厚生は大きく異なります。自分の希望に合った給与や福利厚生を提供してくれる事業所を選びましょう。また、資格の有無によって加算給が発生する場合があります。資格制度がある事業所では、資格取得に関する費用をサポートしてくれることも多いため、チェックするようにしましょう。

残業や休日出勤の有無を確認する

訪問介護の仕事は、利用者の状況に応じて、残業や休日出勤が発生する場合があります。自分のライフスタイルに合った働き方ができる事業所を選びましょう。

訪問介護で職員として働く魅力とは

訪問介護で職員として働く際には、魅力を知っておくことがおすすめです。では、訪問介護の仕事の魅力とは、一体どのようなものでしょうか。ポイントは以下の3つです。

利用者と直接関わるやりがい

訪問介護の仕事は、職員と利用者との間で信頼関係が生まれる業務です。利用者の生活を直接サポートする仕事です。利用者の笑顔や感謝の言葉が、やりがいを感じさせてくれます。

自分のペースで働ける

訪問介護の仕事は、利用者の状況に応じて、自分のペースで働くことができます。そのため、プライベートとの両立もしやすい業務です。アルバイトやパートとしても従事しやすく、働きながら介護系の資格取得を目指すことも可能です。

スキルアップの機会が多い

訪問介護の仕事は、常に新しい知識や技術を身につける必要があります。そのため、スキルアップの機会が多く、成長を実感することができます。１つずつ資格を取得していくと給与が上がりやすくなることもあり、やりがいを感じられるでしょう。

訪問介護の仕事は、やりがいがあり、スキルアップの機会も多い魅力的な仕事です。ぜひ、この記事を参考に、訪問介護の分野で輝くための準備を進めてください。

訪問介護で働く苦労はある？知っておきたい3つのポイント

魅力の多い訪問介護ですが、実際に働くにあたっては知っておきたい3つの苦労もあります。介護は人の生活を支える仕事である分、繊細な側面もある業務です。以下のポイントを押さえておきましょう。

体力的な負担がある

訪問介護の仕事は、利用者の自宅を訪問して、身体介護や生活援助を行う仕事です。利用者の中には、寝たきりや認知症などで、介護に大きな負担がかかる人もいます。そのため、身体介護では身体を持ち上げて清拭する場面も多く、体力的な負担が大きい仕事と言えるでしょう。

精神的な負担がある

訪問介護の仕事は、利用者と直接関わる仕事です。利用者の中には、介護や病気で不安や孤独を感じている人もいます。利用者の不安や孤独に寄り添い、心の支えとなることは、精神的な負担が大きい仕事と言えるでしょう。コミュニケーションを重ね、信頼関係を構築できる人に向いている仕事です。

人間関係の悩みを抱えやすい

訪問介護の仕事は、利用者や家族、同僚など、さまざまな人と関わる仕事です。そのため、人間関係の悩みが生じることもあるでしょう。人間関係の悩みをうまく解決するためには、コミュニケーション能力やストレス耐性などのスキルが必要になります。メンタルヘルスのケアなどの学習機会を持つことがおすすめです。

まとめ

この記事では、訪問介護の分野で活躍するための資格や、注意点について詳しく解説を行いました。訪問介護はその他の介護事業と比較すると、短時間就労も募集が多く働きやすい分野です。一方で、利用者とのコミュニケーションも求められます。前向きに働ける人におすすめの分野です。