介護に関する求人を眺めていると「訪問介護」という言葉が目に留まることがありませんか。訪問介護は、介護施設内での業務とは異なります。

介護を必要とする方の自宅に伺う働き方であり、今注目の業務です。そこで、この記事では訪問介護の働き方をテーマに、業務内容に焦点を当てて詳しく解説します。

訪問介護の業務内容は2種類

高齢化社会を迎えている日本では、さまざまな介護業務が存在しています。その1つが「訪問介護」です。訪問介護とは、介護を必要とする方を訪問し、介護サービスを提供する業務です。

なお、多くの場合は自宅に訪問しています、施設介護とは対照的に自宅を訪ねる業務であり、訪問介護に従事する方は毎日いろいろな方々の自宅を訪ねるために、車などを使って移動する必要があります。

訪問介護の業務内容は、以下の2種類に分類されます。

身体介護

身体介護は施設介護でも行われる業務の1つで、利用者の身体に触れる業務と理解しておくと良いでしょう。排泄や食事の介助、衣服の着替えの手伝いや入浴サービスなどが該当します。

生活援助

生活援助は施設介護とは一線を画す業務内容です。自宅で暮らす要介護者は、身の回りのことを整えるのが困難な場合があります。掃除や洗濯、生活必需品の買い出しなどです。

介護が必要な状態でありながら自宅で過ごす方の生活を支援することも業務の1つです。なお、病院への通院などをサポートする業務もあります。

訪問介護員としての働き方

訪問介護の業務をこなされる方は、訪問介護員と呼ばれています。過去に使われていた名称として「ヘルパー」と呼ばれることも多いでしょう。

訪問介護員は、一般的に1日に数件の要介護者宅を訪問し、介護サービスを提供しています。なお、介護施設のサポートとして訪問介護員が参加するケースも多くなっています。

要介護者やその家族とのコミュニケーションも大切な仕事であるため、一般的に担当制となっており、同じ方の介護に従事することが多くなっています。

移動を減らしたい場合は介護施設への訪問もおすすめ

移動が多い訪問介護員の仕事は、車移動が求められやすいというデメリットがあります。しかし、老人ホームや介護サービス付きの住まいを訪問するケースもあります。

介護サービス付きの住まいは、1つのマンションやアパート内で複数の方の住まいを訪問し、介護サービスに従事できます。

このようなケースは車移動がないため、運転免許証を持っていなかったり、ペーパードライバーの方であったりしても、安心して訪問介護員として従事できるでしょう。

訪問介護の働き方には、どのような魅力がある？

介護業界にはいろいろな職種や仕事があります。では、訪問介護の分野で働くことには、どのような魅力があるでしょうか。この章では訪問介護員に惹かれている方向けに、働き方の魅力を紹介します。

自由時間を確保しやすい

訪問介護は施設介護のように、長時間施設内に留まって業務に従事するものではありません。移動時間があるため、この時間がリラックスタイムになるという方も多くいます。

特に登録型の訪問介護員として働いている方は、アルバイトやパートとしての働き方も選択できるため、家事や育児との両立がしやすくなっています。

夜勤業務も少ない仕事のため、介護職員の第一歩目としても適しているでしょう。（夜勤がない事業所もあります）

やりがいが大きい

訪問介護は一人で利用者宅を訪問することが多いため、仕事の責任は大きくなるものの、やりがいも大きいでしょう。ヘルパーとして寄り添いながら生活を支援する業務のため、コミュニケーションも取りやすく施設介護より働きやすいと感じる方もいます。

ライフスタイルに合わせやすい

訪問介護の働き方は事業所によっても個性があり、自宅に派遣されるタイプもあれば、老人ホームに派遣されるタイプもあります。いずれも就職する際にじっくりと選べるため、自宅からの通いやすさなども考えながら働き方を選べます。

施設介護とは異なり、訪問介護には直行という働き方があります。この方法はヘルパーの自宅から、利用者宅に直行する働き方を意味します。つまり、近所で働くこともできます。

事業所との調整ができれば、派遣される先を変えることもできるため、ライフスタイルに合わせやすいでしょう。

訪問介護の働き方における注意点とは

魅力が多い訪問介護の仕事ですが、実際に働く場合に知っておきたい注意点はあるでしょうか。この章では注意点に注目します。

資格が必要

介護業界に異業種からの転職を検討している場合、介護業界における資格制度を知っておく必要があります。まず、基礎となる資格は「介護職員初任者研修」です。

この資格は身体介助をサービスとして提供する際に必要となるため、訪問介護事業では必須の資格として取得が求められます。まだ持っていない方の場合、介護事業所でスタッフとして活躍しながら取得を目指す働き方もできます。

資格支援制度がある企業に就職することもおすすめです。そのあとは、介護福祉士実務者研修や介護福祉士などの資格もおすすめです。介護職員としての知識や技術をより深めていくためには、介護に関する資格を取得することがおすすめです。

訪問介護における生活援助の難しさ

訪問介護の仕事には、施設介護とは異なり生活援助という仕事があります。この生活援助にはどこまでサービスを実施すれば良いのかという問題が常に発生します。

たとえば、炊事や洗濯も生活援助の業務に該当しますが、同居家族向けにはそのサービスは提供できないのです。しかし、実際には生活を共にしているため、家事の線引きには頭を悩ませることがあります。

不安に感じたら、常に事業所側に相談しながら進めることがおすすめです。

スキルアップはどのように目指すべきか

訪問介護は決められた住まいをルーティーンのように回ることが多く、介護分野でスキルアップを目指すにはどのようにあるべきか悩む人も多いでしょう。

アルバイトやパートという働き方も多いため、スキルアップに悩む人もいます。焦らず資格取得を目指し、プライベートとの両立を行いながら正社員を目指すことも、スキルアップにつながります。

まとめ

この記事では訪問介護としての働き方について、詳しく解説を行いました。訪問介護は施設介護とは違った魅力がある仕事です。異業種からの転職を目指す場合は、介護職員初任者研修の取得を目指すことがおすすめです。

人に寄り添う素敵な訪問介護員を、あなたも目指してみませんか。