魅力的な介護の仕事として知られる「訪問介護」は、全国的にニーズが高まっており、脚光を集めています。では、訪問介護の仕事はいったいどのような方に向いている仕事でしょうか。

この記事では訪問介護に従事したい方向けに、業務内容や向いている人を紹介します。

訪問介護は難しい？どのような方に向いている仕事？

訪問介護は介護サービスが必要と認定されている方の自宅に赴き、介護サービスを実際に提供する仕事です。施設介護とは異なり、個人宅での業務が多いため介護業界のなかでも一見すると難易度が高い印象があります。

では、訪問介護は難しいのでしょうか。そしてどのような方が向いている人なのでしょうか。

訪問介護はそのほかの介護職と同様な大変さがある

そもそも介護という仕事は、家族に代わり身体介護などの支援を行うものであり、排泄や食事の介助や入浴の介助などを実施します。訪問介護も施設介護と同様に、自宅で介護を待つ方々に身体介護のサービスを実施します。

介護は利用者を抱きかかえたり、支えたりしながら支援する必要があり、体力的な大変さを感じることが多い仕事です。この点はそのほかの介護職と同様といえるでしょう。

また、訪問介護の場合は同じ施設で介護サービスをルーティーンのように繰り返すのではなく、1日に複数の利用者宅を訪問し、介護サービスを提供することがあります。

移動時間も必要となるため、施設介護とは違った大変さを感じる人もいます。しかし、訪問介護はいろいろな方との出会いやコミュニケーションがあり、毎日違う変化や景色を楽しめます。仕事と子育ての両立もしやすい職業です。

訪問介護に向いている人はどのような人？

訪問介護に挑戦しようと思っている方は、自分が本当にその仕事をこなせるのか不安に感じているかもしれません。そこで、この章では訪問介護に向いている人について、特徴をピックアップします。

仕事とプライベートを両立したい方

介護の仕事は勤務先によって、夜勤の業務があります。しかし、子育て中の方や趣味を優先したい方、自宅でも介護がある方にとっては、なかなかプライベートとの両立は難しいと感じるでしょう。

訪問介護の仕事は利用時間帯が平日の日中帯になっていることが多く、アルバイトやパートとしても勤務できます。フルタイムの方でも夜勤のない職場が多いため、プライベートの時間を確保しやすいでしょう。

数ある介護サービスのなかでもプライベートの時間を優先したい方は、まさに向いている人です。収入と勤務時間の両立がはかりやすい傾向があります。

明るくて気さくな方

訪問介護は利用者を預かる施設介護とは異なり、暮らしを営む住まいの中へ赴く必要があります。利用者とのコミュニケーションも重要な業務となるため、明るくて気さくな方は向いている人です。

会話を楽しみにしている利用者にとって、介護のエキスパートが来てくれる時間は格別なものでしょう。ただ業務をこなすのではなく、話すこともサービスという感覚が身についている方は働きやすいかもしれません。

訪問する住まいによっては、家族も同居しています。円滑なコミュニケーションが信頼関係を作るため、適切な距離感を心がけましょう。

体力がある方

訪問介護は利用者宅を1日に何件か訪問する必要があるため、体力を使うと感じる方が多い仕事です。入浴や排泄の介助では、利用者の身体を支える必要があるため、体力がある方は、訪問介護に向いている人です。

もちろん、生活援助の業務では身体介護ではなく、掃除や家事などをお手伝いするため、体力だけが求められているわけではありません。

男女比率でいうと、女性の方が、過去のヘルパーとしての経験をつなげて活躍している方が多くなっていますが、男性でも働けます。

施設介護経験のある方

施設介護の仕事は夜勤が多く、施設入居者に関する情報共有の会議もあり、結婚や出産を機会に離職する方が多くいます。しかし、訪問介護は働きやすく、介護経験がある方ならすぐに働けるというメリットがあります。

「施設介護はつらい」と感じていても、決められた時間の作業をこなす訪問介護では、ストレスが少ないと感じる人も多いのです。施設介護経験がある方は有資格者であることが多いため、向いている人でしょう。

介護の仕事を探求してみたい方

訪問介護は1人でコツコツと業務にあたることが多く、難しい場面に直面することも想定されます。人間関係に悩まされる経験をすることも否定できません。

しかし、だからこそ成長できる機会が多い仕事です。施設介護のように大人数で業務にあたるわけではないため、介護の仕事を探求しやすく、前向きに成長できるでしょう。仕事に責任感があり、もっと成長したいと感じる方も向いている人といえます。

訪問介護で働きたい！資格や職種について解説

訪問介護に関心がある場合、資格や職種についてより深く知りたいと感じるでしょう。そこで、この章では自分は「向いている人」なのかと悩んでいる方のために資格や職種を深く掘り下げていきます。

必要資格

訪問介護の業務には「生活援助」と呼ばれる項目があります。この項目は家事を行うことが多いため、一見すると介護関連の資格は不要に感じるかもしれません。

しかし、介護保険法の関係で、訪問介護の現場で活躍するためには介護食品初任者研修以上の資格取得が必要です。資格があればすぐに活躍できます。

業務内容

文中に触れていますが、訪問介護は2つの仕事内容に分類されています。1つは「生活援助」、そしてもう1つが「身体介護」です。
生活援助では、利用者の身の回りの生活を援助します。家事や買い出しなどの業務です。

身体介護は排泄や入浴、食事の介助など、利用者の介護を行う業務です。

なお、訪問介護として働く人にはさまざまな職種があります。

いわゆるホームヘルパーの方々だけではなく、スケジュールやヘルパーの管理を行うサービス提供責任者や、介護保険を使って福祉用具を購入する方のアドバイザーとして活躍する福祉用具専門相談員という職種もあります。

利用者の外出を手伝うガイドヘルパーも近年注目が高まっている職種です。気になる方は、訪問介護の募集要項を確認してみましょう。

まとめ

この記事では訪問介護に向いている人にクローズアップし、詳しく解説を行いました。訪問介護は一見すると、とても難しい仕事に見えるかもしれません。

しかし、介護資格の入門である「介護職員初任者研修」を修了すれば、誰でも活躍できる魅力的な仕事です。ぜひ本記事をきっかけに、訪問介護の仕事に関心を深めてみてください。